高等学校商業科の衰退が著しい。かつて職業学科は「りんご科」「醸造科」など、その学校でしか養成できない人材を地域の労働市場へ送り出してきた。だが地場産業の衰退によって地域の学校としての期待に応えられなくなっていった。さらに少子化に加え総合学科で職業教育がなされていることなども衰退の一因となる。本書はこのような現状を考える商業教育研究会の、これまでの学びと取組みの内容をできるだけ多くの方に伝えたいという意図で出版される。わが国の教育に高等学校商業教育がどのように資することができるのかを検討する視点からの好著
目次
序章:高等学校における職業教育・職業指導と学習指導要領の改訂
第1部:学校・社会と商業教育
第1章:学校から職業への移行と学校教育
第2章 職業教育と共通教育としての商業教育―地域の問題を解決する方法でなされる商業教育―
第3章:商業高校の就職指導
コラム1:キャリア支援を意識した高等学校における商業教育について―総合学科の事例より―
第2部:高等学校と商業教育
第4章:高等学校商業教育の研究と実践の現状と課題の分析―戦後出版された書籍を通じて―
コラム2:商業科を選ぶということ
第5章:教科「商業」とクロスカリキュラムの可能性
コラム3:実学簿記のススメ
第6章:後期中等教育におけるジェネリックスキルを育成する商業教育
コラム4:専門学校における情報教育
第3部:高等学校における商業教育
第7章:「アクティブ・ラーニング」における教科「商業」の課題と可能性
実践に学ぶ1:シティズンシップを培う日経STOCKリーグ教育実践
第8章:マーケティング分野の変遷と授業実践の試み
実践に学ぶ2:地域に根づく人材育成「高校生ホテル」
第9章:教科「商業」における情報教育のあり方
実践に学ぶ3:検定試験を活かした進路指導
第10章:総合学科における商業教育の現状・問題・可能性
コラム5:普通科における商業教育