銀行理論と情報の経済学

加藤正昭 著
本体価格:3500円
ISBN978-4-8429-1688-0
A5判 / 上製 / 352頁 / 2016-10発行

銀行の基本的機能である資産変換と決済等の解説を行った上で「情報の経済学」、特に銀行の情報生、メインバンク関係に力点を置く



ビジネスにおいて必要なものは何か。「独自の優れた知識」に加え、「整備された金融システム」といえるだろう。そのなかで銀行が担う役割とは何か。資産変換と決済、金融仲介、信用創造といった基本的な機能の解説を行い、その上で「情報の経済学」に紙幅を割く。特に各取引主体が保有する情報に差があるとき、市場取引は困難に見舞われる。そのため「銀行の情報生産」「メインバンク関係」などが重要となるが、その点に力点を置く。また金融市場と労働市場とは密接な関連をもつため、労働市場にも解説を加える

目次


第1章:銀行の資産変換と決済機能
第2章:情報の経済学Ⅰ-逆選択(レモン問題)
 補論Ⅰ:異時点間取引と非対称情報問題
 補論Ⅱ:銀行による情報生産の理由
 補論Ⅲ:労働市場のシグナリング
第3章:情報の経済学Ⅱ-モラルハザード問題
 補論Ⅰ:モラルハザードの定義(再論)
 補論Ⅱ:賃金スキーム(誘因両立性条件)
 補論Ⅲ:ホールドアップ問題と無形資産の有無
 補論Ⅳ:「均衡信用割当」理論
第4章:日本の金融システムと銀行の役割
 補論Ⅰ:メインバンク関係とホールドアップ問題
 補論Ⅱ:高度成長期の長信銀の役割
第5章:銀行取り付けと金融パニック
 補論:貨幣発行自由化論と銀行取り付け
第6章:信用秩序維持政策
 補論Ⅰ:銀行の情報公開と参入規制
 補論Ⅱ:銀行取り付けの進化論ゲーム分析
結びに代えて~実用と信頼の美しい社会に向けて