高度経済成長期、安定成長期、そしてバブル崩壊によるデフレ経済突入と推移してきた日本経済。その期間、大量に流入する資金をわが国の生命保険会社はどのように運用してきたのであろうか。競合する金融商品に打ち勝ち、契約者に魅力を感じてもらうためには収益性を求める投資行動は当然必要となる。他方、生保危機を乗り越えた経験からリスク管理も重視されてきている。終戦から今日に至るまでの生保金融を分析してみると、日本経済の要求に応じつつ、収益性と健全性を同時に満たす資産運用が見えてくる
目次
第1部:経済発展期の生保金融
第1章:終戦から高度成長期までの生保金融
第2章:安定成長期の生保金融
第2部:バブル崩壊後の生保経営
第3章:生保の経営危機と配当政策の変更
第4章:生保の組織構造と危険負担
第3部:リスク管理の生保金融
第5章:生保の株式投資とソルベンジー・マージン比率
第6章:生保の資産側デュレーションと金利感応度の関係
第4部:補論―システムダイナミックスモデルによる保険分析―
第7章:保険商品の銀行窓販と拡張メカニズム