「社会」と呼ぶものは歴史の産物であり、社会学は歴史への問い直しとして出発している。しかし、複雑に絡み合った関係そのものを思考していくうちに、歴史から離れ、人間を取り巻く社会問題を人々にとって無関係なものとして論じようとする。組織、戦争、都市、宗教、消費生活、権力の変貌といった問題を通して、あえて古典的な社会学の枠組みを利用して、歴史にこだわった思考を行う。そこからは、今までとは異なる思考のきっかけを提供する知の営みが見えてくる
目次
第1章:社会の大きな変化──一九世紀末の大転換、デュルケム『自殺論』の背景
第2章:組織の変容──パワー・エリートと二つの世界大戦
第3章:戦争と社会の組織化
第4章:都市と都市化の論理
第5章:歴史社会学と宗教
第6章:歴史と消費社会
第7章:政治と権力とイデオロギー
文献解説