アダム・スミス『国富論』を読む

滝川好夫 著
本体価格:2400円
ISBN978-4-8429-1855-6
A5判 / 並製 / 200頁 / 2023-11発行

古典を読む意義は「前進のための回顧」である。『国富論』のポイントをコンパクトにまとめ、現代経済を考える鍵とする



「経済学の父」と呼ばれるアダム・スミス。『国富論』の構成から、経済学とは「生産・分配」理論と貨幣・金融・価格(第1篇)、資本の理論(第2篇)、経済史(第3篇)、学説史(第4篇)、財政(第5篇)と考えていることがわかる。時代は変わっても基本的な人の営みは変わらない。時代が生産・分配面の立て直しを要請していることを踏まえると、古典中の古典である『国富論』の命題から学び、それを活かすことは、現代経済を考える鍵となる。原著は大部であるが、そのポイントをコンパクトにわかりやすくまとめる

目次


序論 『国富論』の特徴と構成(序論および本書の構想)
第1章 経済理論(第1篇第1~3,8~11章、第2篇第3章)

    1:分業による労働生産性向上(第1篇第1~3章) 2:労働の分類:「生産的労働」vs.「不生産的労働」(第2篇第3章) 3:労働の賃金(第1篇第8章) 4:資本の利潤(第1篇第9章) 5:賃金・利潤の格差(第1篇第10章) 6:土地の地代(第1篇第11章) 7:労働者、資本家、地主の利害(第1篇第11章)

第2章 貨幣・金融と価格(第1篇第4~7,11章、第2篇序論,第1,2章、第4篇第3,5~7章)

    1:貨幣(第1篇第4,5章、第2編第1章、第4篇第6章) 2:商品の価値・価格(第1篇第4,5章) 3:商品価格の構成と「自然価格vs.市場価格(現実の価格)」(第1篇第6,7章、第4篇第7章) 4:資本の分類(第2篇序論,第1,2章) 5:資本の用途(第2篇第4,5章) 6:金融(第2篇第2章) 7:銀の価値(第1篇第11章) 8:金の価値vs.銀の価値(第1篇第11章) 9:GDP増大の原生産物価格への影響(第1篇第11章) 10:大国の通貨vs.小国の通貨(第4篇第3章)

第3章 経済史(第3篇第1~4章)

    1:経済の発展はまずは農業、次に製造業(第3篇第1章) 2:農業の発展と「大地主vs.奴隷・分益小作・農業者」(第3篇第2章) 3:資本は農村から都市へ(第3篇第3章) 4:都市商工業は農村の耕作・改良に貢献(第3篇第4章)

第4章 経済学説史・国際貿易:重商主義vs.重農主義(第4篇序論,第1~9章)

    1:商業主義・重商主義vs.農業主義・重農主義(第4篇序論,第8,9章) 2:商業主義・重商主義(第4篇第1章) 3:農業主義・重農主義(第4篇第9章) 4:国内消費用の外国品の輸入を減らす:第1の輸入制限策(第4篇第2章) 5:あらゆる種類の財貨の輸入に対する制限:第2の輸入制限策(第4篇第3章) 6:戻税:第1の輸出奨励策(第4篇第4章) 7:輸出奨励金:第2の輸出奨励策(第4篇第5章) 8:諸外国と比較して有利な通商条約:第3の輸出奨励策(第4篇第6章) 9:遠隔の土地における植民地建設:第4の輸出奨励策(第4篇第7章)

第5章 財政(歳出・歳入・公債)(第5篇第1~3章)

    1:歳出(第5篇第1章) 2:歳入(第5篇第2章) 3:公債(第5篇第3章)