独占禁止法をはじめとする「経済法」に関する素養は、企業法務の実務に不可欠であるだけではない。なぜこの法があるのかに思い至る時、将来の日本の経済や社会のあり方を展望する手がかりをつかむことにもつながる。本書は「経済法」に関わるテーマについて、具体例を出発点として問題の所在を具体的に示し、より発展的な学習につなげるための道しるべを提供することを目的とする。経済法の論点にたどり着く以前に、その前提となる社会的背景や取引のしくみ等についても丁寧に解説
目次
第1部:経済法理解のための基本ツール
第1章:経済法の見取り図
第2章:独占禁止法の見取り図
第2部:カルテル規制
第3章:カルテル
第4章:入札談合
第5章:事業者団体と自主規制
第3部:私的独占規制と政府規制
第6章:私的独占
第7章:政府規制法
第4部:M&Aと企業結合規制
第8章:M&Aと企業結合規制の概要
第9章:企業結合審査の実態
第5部:流通取引
第10章:問題の見取り図
第11章:流通系列化
第12章:大規模小売業者
第13章:取引拒絶
第14章:抱合せ
第6部:独禁法の執行
第15章:行政上の措置
第16章:民事救済
第17章:刑事罰
補章:技術取引と法