社会学の越境

廣田 拓 著
本体価格:2000円
ISBN978-4-8429-1754-2
A5判 / 並製 / 184頁 / 2019-08発行

ギデンズ、和辻哲郎、廣松渉、木村敏の論者をとりあげ、日常生活の自明性を基礎づける二重性の論理の探究に焦点をあてる



本書の展開する「二重性の論理」は、A・ギデンズ、和辻哲郎が論じる個人と社会の相関的二重性の議論と、廣松渉、木村敏が論じる自己存在の共属的二重性の議論に分類することができる。その一方で、この4人の論者には、各々の二重性の論理にそって社会秩序のなりたちを論じるという共通点がある。本書はそれを、日常生活の「自明性(特段の疑問をいだくことなく生活を営むこと)」をめぐる問題として理解し、この観点からそれぞれの議論の考察を試みる

目次


序論:自明性を基礎づける二重性の論理の素描
第1章:A・ギデンズの構造化理論と信頼論
第2章:和辻倫理学と信頼論・良心論
第3章:相関的二重性の論理の考察――ルーマン社会理論との比較
第4章:廣松渉の役割理論と物象化論
第5章:木村敏の自己論と自明性の問題
第6章:対話と翻訳――二重性の論理の比較考察
補論:承認をめぐる思想的変遷――「中欧」チェコの歴史を事例に
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