雇用問題はそのままわれわれの生活の問題であり、全生涯における個人の職業・仕事キャリアの問題であり、人間の命の問題となることもあり、未来の問題である。漠然とした不安の原因も、雇用を取り巻く厳しい現状と深く関連する。本書は、女性の労働と雇用、非正規雇用と正社員の働き方を主軸に、日本に特有な雇用を分析考察、雇用問題を通して現在の日本の企業や社会に内在する問題をあぶりだす
目次
第1部 日本の雇用慣行と女性雇用のキャリア
第1章 日本の雇用システムの変容とキャリア形成
第2章 女性労働の構造変化と女性のキャリア形成
第3章 日本の雇用慣行と女性労働のキャリア
第4章 ワークライフバランスの規定要因―バランスの条件とは何か―
第5章 日本の女性雇用と「ワークライフバランス論」再考
第2部 非正規雇用の多様化と多様な正社員化
第6章 日本の雇用と「同一労働同一賃金」論再考
第7章 非正規の正規化と正社員の限定化
第8章 非正規の正規化と正社員転換
第9章 「派遣」という働き方の日本的特徴と課題
第3部 日本の働き方と日本的雇用・経営
第10章 日本の「働き方改革」論争と生産性議論
第11章 日本企業の長時間労働問題の経営学的考察
第12章 誤解された日本的雇用