年中行事は、担い手が世代交替を遂げながらも毎年同時期に同じ行事内容を繰り返し行い、家族や地域の人びとが共同で営むことを基本にしている。社会とライフスタイルの変動により、伝統的な年中行事は変容・衰退する一方で、商業活動やマスコミの宣伝等によって新しい年中行事が行われるようにもなってきている。本書は、民俗学における年中行事に関する多様な研究蓄積を踏まえ、一般の読者にもわかりやすく解説し、民俗学の年中行事のとらえ方や議論をめぐる主要な研究の全体像を一冊に集約し、体系的にまとめる
目次
1:年中行事と季節感
2:祝祭日と年中行事
3:年中行事研究の歩み
4:暦と暦法
5:年中行事の構成
6:予祝の年中行事
7:禊と祓いの年中行事
8:収穫の年中行事
9:仏教と年中行事
10:年中行事の食
11:年中行事と贈答
12:年中行事の分布と地域差
特論1:沖縄の年中行事
特論2:年中行事と職種
特論3:年中行事の変容
主要な年中行事・祝日・記念日一覧