犯罪のない社会を実現させるのは、非常に困難なことかもしれない。けれども、われわれは少しでも犯罪のない社会の実現に向けて努力すべきであり、それは現代社会における国民の責務でもあろう。犯罪行為をどのような立場で理解しようとも、刑事政策の目的は犯罪を予防し、制圧し、犯罪者を改善することにある。本書は今日の通説的な立場を基調とし、平明な記述で誰にでも理解できるような理論的展開を心がける。刑事政策、犯罪学、刑事学を学ぶことで犯罪防止への手がかりを見い出してほしい
目次
第1章:刑事政策の概念
第2章:犯罪の原因
第3章:犯罪者の刑事司法的処遇
第4章:刑事制裁の種類(司法処分の諸形態)
第5章:犯罪現象の類型的考察
第6章:犯罪者の処遇
第7章:犯罪被害者の救済