リカードウの主著『経済学および課税の原理』が、アダム・スミスの『国富論』を継承・批判して、19世紀初頭のイギリスの政治経済問題を貫く普遍的法則を叙述しようとしたことはよく知られている。だが本書は、「理論的諸章」に較べて、これまでの研究ではどちらかというと脇に置かれることの多かった「課税論諸章」と「論争的諸章」に光を当て、リカードウが「原理」を立ち上げてくる理論的苦闘を辿り直すことを目指す。
目次
第1編:課税の理論 第1章:リカードウの課税論─第8~18章の研究 第2章:アダム・スミスの租税論 第3章: リカードウ課税論の理論問題
第2編:資本蓄積の理論
第1章:資本移動論─第19章の研究
第2章:富と価値の区別論─第20章の研究
第3章:リカードウによるセイの評価
第4章:資本蓄積論─第21章の研究
第3編:外国貿易の理論
第1章 輸出奨励金論─第22章の研究
第2章 生産奨励金論─第23章の研究
第3章:植民地貿易論─第25章の研究