「見えざる」社会

伊藤 哲 著
本体価格:2500円
ISBN978-4-8429-1525-8
4/6判 / 並製 / 272頁 / 2010-09発行

自らの社会と人間、さらには人間対人間の結びつきを考えるとともに、現代社会を再構築できる「力」をスミスとともに探る



「気持ち」を「形」にすること、「気持ち」を分かるということの本質にたどりつければ、様々な問題を抱える現代社会=自壊社会への抑止方法も理解できるのではないか。古典経済学の父として有名なアダム・スミスは経済社会の分析を行う前に、私たち人間がどのように社会を形成したか、その原理を説いている。自らの社会と人間、さらには人間対人間の結びつきを考えるとともに、現代社会を再構築できる「力」をスミスとともに探る

目次


>第1部:私の素直な気持ち―現実への危機感―
 私たちは「共感」できる時間を持っているだろうか?
 「共感」をする時間がない
 情報化社会が想像力を萎縮させる
 ゆとり教育が想像力を弱くした?
 想像力の欠落が悪行を生む
 効率性が想像力を削いできた
 「知りたい」という姿勢こそが「共感」を育む
 近代の先駆者たち―近代市民社会的人間について―

第2部:アダム・スミスの気持ち―近代からの伝言―
 「同感」について
 相互的同感の喜びについて―私たちは互いに同じ感情を持ちたい―
 私の感情と他者の感情が一致するとは―是認の感情―
 主要当事者と観察者
 道徳哲学とは
 道徳諸感情の腐敗について
 「徳の性格」とは
 愛すべき対象になりたい私たち
 大人の責任として―「……らしさ」、「……という形」を表現しよう―

第3部:「見えざる」社会の実現に向けて―高慢と経済社会と教育と―
 見えざる日本の未来
 「見えざる手」とは?
 「高慢」はコミュニケーション能力
 教育を考える
 おわりに―「見えざる」社会を実現しよう―