民俗学の概論書は何種類か出版されているものの、入門書は案外少ない。本書は、初学者が学んでおいたほうがよいと思われるテーマに絞って章立てを行い、近代以降の生活文化の変化に留意しつつ、フィールドワークを基本とした実証科学としての民俗学の立場から、何を導き出せるのかといった問題意識に基づいて編纂された好著。
目次
1:民俗の多様性─均一化の中にあらわれる独自性
2:民俗学の流れと現在
3:家族生活とすまい
4:食をめぐる民俗
5:村と町のなりたち
6:若者と一人前
7:結婚と出産・子育ての民俗
8:女性・子供・老人の民俗
9:葬送儀礼と先祖祭祀
10:里と海・山のなりわい
11:祭りと年中行事
12:民俗宗教の諸相
補章 北海道民俗・沖縄民俗の特徴