経済を知るために経済学を学ぶ――現代の経済学はそうした期待に応えてくれているだろうか。現実分析より論理分析を主とし得られた純粋論理を現実に適用するという経済論理の濫用、部分的な経済知識・情報から現実分析を行う弊を指摘し、現実の経済分析のあり方を論じる。経済学に関する誤解、経済通念の落とし穴にはまらず、現実経済を分析するための経済学とは。理論から現実分析へ、そして具体論へと展開する
目次
第1章:展望―問題の所在
第2章:経済学の構造
第3章:経済学の潮流Ⅰ―静態理論の成立
第4章:経済学の潮流―せめぎ合う理論と現実
第5章:経済学の潮流Ⅲ―現実との対話へ向かって
第6章:現代の主流派経済学の抱える問題
第7章:経済社会学への道―体系化の放棄を出発点として
第8章:動態的貨幣論―貨幣循環に関する現実分析
第9章:経済通念の陥穽―利害対立に翻弄される経済論理
第10章:現実分析への一寄与―国債問題の最終解決