金融の基礎(改訂増補第3版)

沈 徹 著
本体価格:2970円
ISBN978-4-8429-1847-1
A5判 / 並製 / 288頁 / 2023-03発行

標準的な金融理論や最近の金融政策への詳細な解説によりわかりやすさを追求しつつ、最新データへの差替えとフィンテックについて補筆



標準的な金融理論や最近の金融政策についての詳細な解説を加え、わかりやすさを追求する初版のスタンスはそのままに、新たな金融環境の変化に対応し改訂。2013年のいわゆる異次元の金融緩和政策は2%のインフレを実現しているが、景気拡大に伴って生じる「良い」インフレではない。前回改訂より5年、日本経済が力強く復活したとは言えない状況にある。大きく変わった金融経済情勢として、金融とITの融合であるフィンテックから新たな金融サービスが生まれていることから、この補筆・修正を行い、最新のデータへの差し換えをしている

目次


1:金融取引と金融機関
 (1.金融とは何か 2.金融機関の機能(審査と監視の必要性) 3.貯蓄投資差額と資金過不足)
2:金融の基礎概念
 (1.間接金融と直接金融 2.日本の資金循環 3.相対型取引と市場型取引 4.市場型間接金融 5.短期金融市場と長期金融(資本)市場 6.株式と債券 7.流動性と金融市場)
3:日本の金融機関
 (1.日本銀行の目的と組織 2.日本銀行の機能 3.決済システム 4.民間金融機関 5.政府系金融機関と財政投融資制度 6.フィンテック)
4:金融政策
 (1.金融政策の手段 2.日銀当座預金の変動要因 3.日本銀行の金融調節の特徴 4.金融政策の波及経路とタイム・ラグ 5.非伝統的金融政策 6.非伝統的金融政策の深化)
5:信用秩序維持政策
 (1.公的規制の根拠 2.信用秩序維持政策の概要 3.従来の事前的対策―競争制限的規制と行政指導― 4.現在の事前的対策―バーゼル規制― 5.バーゼル規制の意味するもの 6.バーゼル規制の展開 7.事後的対策(セーフティー・ネット) 8.モラル・ハザードとその回避)
6:貨幣の進化と需要
 (1.貨幣の誕生 2.銀行券の出現 3.貨幣の機能 4.貨幣の需要 5.貨幣の需給と金利 6.金利の期間構造)
7:マネーストックと信用創造
 (1.マネーストックの定義 2.マネーストックの政策的意義 3.信用創造 4.マネーストック論争)
8:国際金融の基礎
 (1.外国為替市場と為替レート 2.為替リスクと為替ポジション(持高) 3.スポット(直物)とフォワード(先物) 4.為替スワップと金利裁定 5.為替レートの決定要因 6.国際収支と投資貯蓄バランス 7.為替制度)
9 企業の金融行動
 (1.企業金融とMM 定理 2.資本構成と経営規律 3.資産の証券化)
10:デリバティブ
 (1.デリバティブとは何か 2.クレジット・デフォルト・スワップ 3.先物取引 4.スワップ取引 5.オプション取引の概要 6.先物取引とオプション取引によるリスクヘッジの比較 7.オプション・プレミアム)