現代の判例と刑法理論の展開(POD)

板倉 宏 監修・著 沼野輝彦/設楽裕文 編
共著者:早乙女宜宏/山本善貴/清水洋雄/船山泰範/神例康博/杉山和之/髙瀨俊明/淵脇千寿保/上野幸彦/野村和彦/西島裕行/張 光雲/浜崎昌之/坂井 愛/南部 篤/漆畑貴久
本体価格:3800円
ISBN978-4-8429-1790-0
A5判 / 並製 / 348頁 / 2014-06発行

現代社会を象徴する最近の判例を素材に、実態に即した刑法理論を展開。真の法的思考力を身につけよう



現行刑法が制定されてから100年以上経ち、抽象的な文言と幅の広い法定刑からなる条文をもつ刑法といえども、変動する社会に適応するには限界も出てくる。そのため、近時は改正が頻繁になされ、その解釈・適用をめぐり重要判例も次々と出ている。本書はこのような状況のもとで、インターネット関係の犯罪や企業組織体の過失に関するものなど、現代社会を象徴するような最近の判例を素材に、実態に即した刑法理論を展開する。判例を無批判に受け入れるのではなく、真の法的思考力を身につけるために読んでほしい一書

目次


1:刑法の解釈と罪刑法定主義
2:刑罰法規の明確性と罪刑法定主義
3:第三者の行為の介在と因果関係
4:脱線転覆事故と安全対策責任者の過失
5:刑事製造物責任と過失不作為犯
6:早すぎた構成要件の実現
7:正当行為と精神鑑定を命じられた医師の秘密漏示
8:安楽死と治療行為の中止
9:事後的過剰防衛
10:間接正犯
11:共謀共同正犯
12:承継的共同正犯
13:共犯関係からの離脱
14:中立的行為の幇助
15:傷害について
16:飲酒運転と危険運転致死傷
17:窃盗罪の実行の着手
18:強盗利得罪における「財産上不法の利益」の取得
19:強盗致死傷罪における強盗の機会
20:詐欺罪における欺罔行為と財産的損害
21:成年後見人による横領と244条1項
22:わいせつ電磁的記録等送信頒布の意義
23:賄賂罪の諸判例