地球環境問題をみる時、地球全体主義の視点で現場を見、実際のものを歪めて見てしまうことがなかろうか。そこで、個別性と多様性に彩られたインドネシアの「現場」で地球環境問題を検証しようという試みである。森林消失、大気・水質汚染、ゴミ等、どこの国でも抱えている環境問題をこの国でも抱えている。しかし、先進国といわれる国以上にユニークな取り組みを行ってもいる。その「現場検証」によって見えてくるものは今後環境問題を考えるうえでも大きなヒントとなるだろう。
目次
序章:地域研究と地球環境問題
第1章:インドネシアに見る地球環境問題
第2章:混迷する森林消失問題のゆくえ─東カリマンタン州とリアウ州を事例として
第3章:ポスト・スハルト時代の社会変動と環境問題
第4章:都市から農村に波及する廃棄物問題─バンドン、ジャカルタ、ジョクジャカルタなどを事例として
第5章:岐路に立つ国家の環境政策
第6章:地域と市民から発信される環境ガバナンスの新しい潮流
第7章:イスラームと環境運動
第8章「改革」と地球環境ガバナンス
結章:地球環境問題と地域研究の課題