近世諸藩における財政改革

大淵三洋 著
本体価格:3800円
ISBN978-4-8429-1724-5
A5判 / 上製 / 200頁 / 2018-03発行

池田光政(岡山藩)、保科正之(会津藩)、徳川光圀(水戸藩)ら7名が行った藩の財政改革を歴史的背景とともに論じる



江戸時代は中央政府である幕府と地方自治体である諸藩の二重構造になっていた。政治的には幕府の管理下に置かれていた諸藩であるが、財政的には完全に独立した存在であった。しかし、貨幣経済の発達など様々な要因によって、どの藩も窮乏に悩み、財政改革と再建を試みる。それらを強力に指導していた7名をとりあげ、人格的思想的な側面を評価しつつ、歴史的背景も踏まえ、各藩が行った財政改革を詳細に論じる。これらの財政改革を研究することにより、現在の財政改革・再建の真のあり方が問い質されることにもなろう

目次


序章:近世諸藩の財政状況
第1章:野中兼山の財政改革(土佐藩)―近世諸藩における財政改革の黎明者
第2章:前田利常の財政改革(加賀藩)―幕府の目を欺いた明君
第3章:池田光政の財政改革(岡山藩)―仁政を敷いた明君
第4章:保科正之の財政改革(会津藩)―社会福祉制度の先駆者
第5章:羽地朝秀の財政改革(琉球王朝)―外圧を利用して改革を推進した摂政
第6章:徳川光圀の財政改革(水戸藩)―伝説化された明君
第7章:徳川吉宗の財政改革(和歌山藩)―紀州の麒麟とよばれた明君